妖怪「小豆洗い」は人に危害を加えるの?なんで小豆を洗っているの?

ずっと独身のままかと思われていた芸人の岡村隆史さんが結婚したことが話題ですが、そんな彼が以前、映画「妖怪大戦争」に「小豆洗い」役として出演していたのをご存知でしょうか?なんだか憎めないキャラクターが岡村さんと妖怪「小豆洗い」とにピッタリマッチしていて絶妙な配役でしたね!ところで「小豆洗い」ってどんな妖怪なんでしょうか?

妖怪「小豆洗い」とは

小豆洗い」とは、ショキショキと音をたてて川で小豆を洗う妖怪のこと。

基本的に「小豆洗い」は川のほとりで小豆を洗っていたり、洗いながら歌を歌っていたりするだけでそれほど人に危害を加えることはありません。

しかし、一説によると「小豆洗おか、人取って喰おか」とつぶやくそうです。気味が悪いこの歌や音に気を取られていると川に落とされるので要注意!

地方の言い伝えによっては、小豆洗いの姿は見えずに小豆とぎの音が聞こえるだけで気味の悪い思いをさせられたり、小豆洗いに川に落とされたりすることもあるようです。群馬県邑楽郡邑楽町や島根県では、人をさらうものといわれています。

ちなみに、なぜ小豆を洗っているのかは不明ですが、おそらく人間をからかっているのではないでしょうか。

また、小豆は赤くて艶のある美しい見た目をしていることから昔から神聖な食べ物とされており、もともと特別な日に食べられていました。つまり神聖な小豆を洗うことは、神の使いの役割であるわけで、人々の神への信仰が薄らいだために小豆洗いは妖怪になった、という説もあります。

埼玉県や山梨県などで目撃された小豆洗いは老人のような姿だということなので、これが一般的な小豆洗いのイメージです。また、小豆洗いの正体は、タヌキやキツネやガマガエルなどが化けたとされる説が多いようですよ。

「小豆洗い」の伝承

小豆洗いには地域によって数々の言い伝えがあります。

長野県松本市では、木を切り倒す音や赤ん坊の泣き声をたてたという。群馬県邑楽郡邑楽町や島根県では、人をさらうものといわれる。

『白河風土記』巻四によれば、鶴生(つりう・福島県西白河郡西郷村大字)の奥地の高助という所の山中では、炭窯に宿泊する者は時として鬼魅(きみ)の怪を聞くことがあり、その怪を小豆磨(あずきとぎ)と呼ぶ。炭焼き小屋に近づいて夜中に小豆を磨ぐ音を出し、其の声をサクサクという。外に出て見てもそこには何者も無いと伝えられている。

茨城県や佐渡島でいう小豆洗いは、背が低く目の大きい法師姿で、笑いながら小豆を洗っているという。これは縁起の良い妖怪といわれ、娘を持つ女性が小豆へ持って谷川へ出かけてこれを目にすると、娘は早く縁づくという。

引用元:Wikipedia 「小豆洗い」より

小豆洗い - Wikipedia

人をさらう小豆洗いから縁起の良い小豆洗いまで、いろいろな小豆洗いが存在することがわかりますね。あなたの住む地域の小豆洗いはどんな小豆洗いでしょうね・・・?

「小豆洗い」誕生の物語

江戸時代の『絵本百物語』には、「小豆洗い」誕生の話が載っています。

新潟県の法華宗の寺にいた日顕という小僧は、物の数を数えるのが得意で小豆の数を一合でも一升でも間違いなく言い当てたそうです。寺の和尚は日顕を可愛がっていましたが、それを妬んだ円海という悪僧が日顕を井戸に投げ込んで殺してしまいました。それ以来、日顕の霊が夜な夜な雨戸に小豆を投げつけ、夕暮れ時には近くの川で小豆を洗って数を数えるようになりました。円海は後に死罪となり、その後は日顕の死んだ井戸で日顕と円海の霊が言い争う声が聞こえるようになったということです。

まとめ

「ゲゲゲの鬼太郎」や映画「妖怪大戦争」にも出てきて、意外な人気を誇る「小豆洗い」。見た目はちょっと不気味ですが、襲われることはあまりなさそうです。日本各地にいろいろな種類の小豆洗いがいることもわかりました。川沿いからショキショキ・・・という音が聞こえてきたら、ひょっとしたら小豆洗いがあなたをからかっているのかもしれませんよ!

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