伝説の忍者、自来也の妖術で登場!「大蝦蟇」ってそもそもどんな妖怪?

岸本斉史原作のマンガ『NARUTO』に登場するキャラクター、自来也。伝説の三忍の一人であり主人公ナルトに影響を与える主要キャラクターでしたが、エロ仙人としてもなかなかのものでしたよね!そんな自来也ですが、妖怪「大蝦蟇」に乗って活躍する人物として昔から人気だったようで・・・。そもそも自来也ってどんな人?大蝦蟇ってどんな妖怪?調べてみました。

伝説の忍者「自来也」とは

自来也(じらいや)は、江戸時代の感和亭鬼武による読本『自来也説話』に、義賊として初めて登場しました。

その正体は三好家の浪士・尾形周馬寛行。蝦蟇の妖術を使って活躍する姿は人気を博しました。明治以降は、歌舞伎や講談などを通して忍者キャラクターとして認識されるようになり、現在では映画・漫画・ゲームなどの作品に多数登場。名前のカッコよさも含めて世間の認知度も高いですよね。

「自来也」の名前やキャラクターは、宋代の中国に実在し、盗みに入った家の壁に「我、来たるなり」と書き記したという盗賊「我来也」を元にしたとされています。

自来也の妖術

上記の『自来也説話』を元にして書かれた『児雷也豪傑譚』に登場するのが忍者「児雷也」です。

これによると、児雷也は、越後妙高山に棲む仙素道人から教えられた「蝦蟇の妖術」を使うとされています。「蝦蟇の妖術」とは、大蝦蟇に乗る、または大蝦蟇に変身する術のことです。児雷也の妻は蛞蝓の妖術を使う「綱手」、宿敵は青柳池の大蛇から生まれた「大蛇丸」、というNARUTOでの設定もこの作品が発祥です。

自来也と児雷也は元が同一なので、自来也の妖術が「蝦蟇の妖術」といっても差し支えありませんね。

妖怪「大蝦蟇」とは

大蝦蟇(おおがま)は、江戸時代の奇談集『絵本百物語』、北陸地方の奇談集『北越奇談』などに記載されている巨大ガマガエルの妖怪のことです。

野生のガマガエルは通常のガマガエルよりも巨大なので、このような巨大なガマの伝承が生まれたのかもしれません。また、カエルが長い舌で虫などを捕える様子は虫がカエルの口の中に吸い込まれるようにも見えるので、カエルが人間の精気を吸うといった妖怪的な考えが生まれたのでは?という解釈もあります。

「絵本百物語」では、「周防の大蟆」(すおうのおおがま)というタイトルで大蝦蟇が紹介されています。これによると大蝦蟇は、周防国の岩国山の山奥に住んでいて、体長は約8尺(約2.4メートル)。口から虹のような気を吐き、この気に触れた鳥や虫、蛇などを口の中へと吸い込むとされています。この挿絵では大蝦蟇が槍を手にしている姿で描かれていますが、一説によるとこの槍で人間を襲ったともいわれています。

また、「北越奇談」には大蝦蟇の伝承が載っています。それが大蝦蟇だとは気づかずに、いい岩場だと思って上に乗って釣りをしていた武士の話なのですが、特に危害を加えられたというわけではないので恐ろしいながらもほのぼのとした内容となっています。

まとめ

伝説の忍者「自来也」が妖術で使っていた妖怪「大蝦蟇」ですが、大蝦蟇自体はそれほど恐ろしい妖怪ではなさそうです。ただし見た目はかなり気持ち悪いのであまり近寄りたくはないような・・・。カエル好きな人にはたまらない妖怪かもしれません。

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