妖怪「七人岬」とは?集団で現れる奴らの呪いは危険。

七人岬、七人ミサキをご存知でしょうか?90年代に都市伝説として流行ったり、ゲームやマンガ、ライトノベルにもモチーフとして登場するので、なんとなく知っている方も多いかもしれませんね。この七人岬、そもそもどのような妖怪なのでしょうか。そして、なぜ七人組で行動するの・・・?

妖怪「七人岬」とは

七人岬(しちにんミサキ)は、高知県など四国地方や中国地方に伝わる亡霊の集団です。災害や事故、特に海で溺死した人間の亡霊と言われ、その名前の通りいつも7人組で行動し、主に海や川など水に関する場所に現れるとされています。

七人岬は、「七人ミサキ」と表記されることが多く、この「ミサキ」の意味には諸説あるようです。先端が尖ったものには霊力が宿るとされていたので「岬」や「神の使い」、犬神を意味した御前(ミサキ)などの説があります。

七人岬の話は、「老圃奇談」「神威怪異奇談」などに載っている戦国武将・吉良親実の怨霊譚が元になっていると言われています。

吉良親実は、家系存続のトラブルに巻き込まれて切腹を命ぜられます。その時に家臣たち7人も殉死したのですが、彼らの墓地にいろいろな怪奇現象が起こったので親実らの怨霊が七人岬となったのだと恐れられました。これらの怨霊を鎮めるために木塚明神が祀られ、これが現存する「吉良神社」となりました。また、「神威怪異奇談」によれば、親実の味方をして切腹させられた武将も、妻子たち6人とともに死罪となり、この7人の霊も比江村七人岬となったということです。

その他、広島県の凶暴な7人組山伏の七人岬や、猪の落とし穴に落ちて死んだ平家の七人岬、海に捨てられた女遍路の七人岬、山口県の僧侶の姿の七人岬など、西日本の各地でさまざまな七人岬が言い伝えられています。

ずっと七人組の仕組み

ところで、七人岬はなぜずっと七人で1セットとして存在しているのでしょうか?

実は、妖怪七人岬に遭遇してしまった人間は、呪いを受け高熱を出して死んでしまいます。そして、このように1人を殺すと七人岬のうちの1人が成仏し、それと交代で殺された人が七人ミサキの1人となるため、七人岬は常に7人組で、永遠に人数が変わることはないのです。

都市伝説の「渋谷七人ミサキ」

渋谷七人ミサキは、1990年代後半に語られていた都市伝説です。

当時、渋谷にある坂のあちこちで女子高生7人が、立て続けに死亡したという噂話が流れました。これは、援助交際をしていた彼女たちが妊娠し、簡単に中絶していたことが発端でした。中絶された子供たちの怨念が七人ミサキとなって、あるいは子供たちが七人ミサキを甦らせて、自分の命を軽んじた女子高生たちを呪い、復讐したということです。

まとめ

映画でも「七人の侍」「荒野の七人」などがあるように、7人組というのはわりとポピュラーなのかもしれませんね。それにしてもメンバー入れ替え制だったとは知りませんでした。自分が一員になってしまうとは!ぜったいに遭遇したくない妖怪の一つです・・・。

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