妖怪「たい馬」。名前から想像すると妖怪になってしまった馬、を想像しますが、頽馬と書き、馬を死に至らしめるおっかない妖怪です。人の形で登場する場合は、「馬魔」(ギバ)なんて呼ぶそうです。
大切な馬が、「たい馬」の被害に遭わないよう、詳しくどのような妖怪か見ていきましょう。
妖怪「たい馬」とは
妖怪「たい馬」(頽馬)は、本州から四国地方で伝わる怪異のうちの一つ。突然馬を死に至らしめる、厄介な妖怪です。
旋風や突風と一緒にやってくる「たい馬」。
突然目の前に旋風が現れ、馬の前方で砂煙がぐるぐると回り、馬に近づいてくる・・・。
その旋風が通り過ぎる頃には、馬は絶命している・・・という恐ろしい怪異です。
話によっては、口から肛門にかけて太い棒を突き刺したように開いた状態で絶命しており、魔性の風が口や鼻から入り、肛門から出ていったから、とされる話もあります。
・・・想像しただけで身の毛がよだちますね。
「馬魔」(ギバ)の伝説
旋風などの自然現象の姿で現れることもあれば、人の形をして現れることがあります。
その場合は、「馬魔(ギバ)」と呼ばれており、元々は悲しい人生を送った一人の女性でした。
昔は、馬の皮を剥ぐ、という仕事がありました。武具や衣類、小物類などで使うためでしょうか。
ただ、決して裕福な暮らしは期待できない仕事だったようです。
その女性の家庭も、馬の皮を剥ぐことを生業としていました。
ひどいいじめや差別と、貧困による生活苦から、ついにその女性は自殺をしてしまいます。
その女性の怨念は「馬魔(ギバ)」として生まれ変わり、馬を狙う妖怪と化してしまった、ということです。
まとめ
いじめや貧困による生活苦で心を病み、自ら命を絶ってしまう悲しい事件があとを絶えません。
妖怪は、そういった悲しいことが繰り返されないように、我々人間に教えてくれているのかもしれませんね。