妖怪「海坊主」にご用心。夜間の船旅は控えた方がよい?

船に乗っていると突然、海面がザザーっと盛り上がって現れる妖怪、海坊主。黒く大きな坊主姿の海坊主が有名ですが、小さな海坊主もいるようです。船が壊されて大変な目に遭うので要注意な海の妖怪です。

妖怪「海坊主」とは

海坊主(うみぼうず)は、海に住む妖怪、海の怪異のことを指します。またの名を「海法師(うみほうし)」、「海入道(うみにゅうどう)」ともいい、その姿も様々で巨人から小人まで存在するようです。

海坊主は、海の中から人間の乗った船のところに現れて、船を破壊して沈める恐ろしい妖怪なので、海に出る人々に恐れられています。

「海坊主」の伝説

多くは夜の間に海に出没し、それまで静かだった海面が突然盛り上がり、黒い坊主頭の巨人が現れて、船を破壊するとされています。大きさは多くは数メートルから数十メートルの巨人で、小さなものもいると伝えられることもあります。

「船幽霊」と似ていますが、海が荒れている時に出没する船幽霊と違って、海坊主は静かな時でも出没する点が異なるようです。

また、海坊主は、裸体の坊主風なものが大群で船を襲うことも多く、船体に抱きついたり、篝火を消そうとします。とても迷惑で恐ろしい妖怪ですが、彼らにも弱点があります。それは煙草の煙。これを用意しておけば助かるといわれています。

その他の伝説として、随筆『閑窓自語』によると、和泉貝塚では海坊主が海から上がって3日ほど地上にいた時があったとあり、その間は子供は外に出ないように言われていたそうです。

また、随筆『雨窓閑話』に書かれている海坊主の話では、海に出たところ海坊主が現れて「俺は恐ろしいか」と聞くので、船乗りが「世を渡ることほど恐ろしいことはない」と答えると、消えたということです。

海和尚の名前で海坊主が記載されているものもあります。これによると、人に似ているけれど、口が耳まで裂け、人間を見つけると大笑いするということです。そしてこの海和尚が現れると必ず暴風で海が荒れるといって恐れられました。

近代の「海坊主」

海坊主の最近の目撃談は1971年のこと。宮城県のマグロ漁船が、ニュージーランド方面での漁の途中にシワシワの灰褐色の巨人に出会ったそうです。大きな目とつぶれた鼻、口はなく、驚いた船員がモリで突こうとして準備をしていたら消えてしまったそうです。当時、この話は話題になり新聞にも掲載されたそうですよ。

また、「ゲゲゲの鬼太郎」にもわりとキュートな姿で登場し、鬼太郎に話しかけています。鬼太郎と知り合いのような関係性を持っているようでした。

まとめ

夜の暗い海で突然現れる海坊主。乗っている船が破壊されるなんて恐ろしすぎます。比較的最近でも出たということで、本当に実在しているのかもしれませんね・・・。

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