妖怪「猪笹王」、人間に対する恨み爆発。12月20日は要注意。

妖怪「猪笹王」とは

妖怪「猪笹王」とは、もともと奈良県吉野郡にある伯母峰(おばみね)に住む大きな猪、「猪笹王」が亡霊となり、人を襲うようになってしまった妖怪です。背中に熊笹があり、そのような名前で呼ばれていました。山に住み着く大きな猪がなぜ妖怪になってしまったのでしょうか。

人に対する恨み

猪笹王は、山を訪れた狩人に、片目と片足を奪われてしまいます。その恨みから、猪笹王は一本足の妖怪となり、人を無差別に襲い始めました。もともと猪はスピードもパワーも桁外れです。それが大きくて、かつ恨みに任せて行動としているとしたら、それはそれは脅威だったことでしょう。

人々を襲う大きな猪の妖怪の存在を知り、丹誠上人(たんせいじょうにん)は猪笹王を地蔵に封じ込めました。ただ、12月20日は鬼が自由になる日、ということで、12月20日には再び現れるとのことです。

もののけ姫「乙事主」との違い

大きな猪、といえば、ジブリ映画の「もののけ姫」に出てくる「乙事主」が出てくる人も少なくないと思います。「乙事主」も、人に中も命を奪われ、暴走してしまいます。「乙事主」の場合は、恨みにより「タタリ神」となり暴走をしてしまいました。最後は「シシ神」様に命を吸いと取られてしまいます。

「乙事主」もひょっとしたら猪笹王がモデルなんじゃないか、と、期待しましたがそうではないようです。残念。

妖怪「一本ただら」との関係

妖怪「一本ただら」も同様に、奈良県や和歌山県の山に出る一本足の妖怪のことを指します。やはり12月20日に出没するとされています。奈良県の伯母峰に出る「一本ただら」は猪笹王を指す事もあるそうです。

まとめ

妖怪「猪笹王」は悲しいかな、人間の手によって生まれ、人間の手によって封じ込められた妖怪です。今も昔も、動物の命を頂き、人間も生命を繋いでますが、悪戯に命を、奪ったりしてはいけない、と、「猪笹王」は教えてくれているのかもしれません。

 

 

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