妖怪「川姫」とは
妖怪「川姫」とは、高知県、大分県、福岡県に伝わる妖怪です。その名の通り、川に現れます。若い男たちが水車小屋の近くに集まって休憩していると、いつの間にか水車小屋の陰に現れたりするそうです。とても可愛い女性の姿をしているようで、心惹かれてしまうとたちまち精気を吸い取られてしまうとのこと。
「磯女」は声をかけたり、かけられたり、という「行動」がきっかけになり命を奪われますが、「川姫」は「やべっ、可愛いじゃん」って思っただけで精気を吸い取られてしまう・・・。男心(?)を逆手に取った質の悪い妖怪ですね。
その場にいる年寄りが戒めの合図をし、全員下を向いて息を殺していると、災いから逃れられるといいます。絶対にいましたよね、我慢できずに「川姫」を二度見した男w
ちょっとかわいそうな「川姫」の最期
ある雨の夜。男性が谷を歩いていると、糸枠(いとわく、糸をつくり、まきつける機械)をまいている美女に遭遇しました。男性は怪しみ、凄んで見せますが、女性は微笑みかけるだけ。男性は「妖怪」であると直感で判断し、糸を切り捨てます。が、その美女は笑いながら川に飛び込み姿を消しました。
そのことを友人に話すと、「この刀をつかいなさい」と糸斬り刀をわたします。再びその女性と対峙した男性は、その友人から借りた刀で女性を切り捨てた、とのこと。
・・・ちょっとかわいそうな気がしますけど、健房だけでしょうか。こうやって心にスキがあると精気を吸い取られてしまうのでしょうか。そうはいっても、女性姿をしていると、どうしても躊躇してしまいますね。
まとめ
刀で簡単に切り捨てられてしまったところを見ると、さほど力が強かったりするわけではなさそうな「川姫」。精気を吸い取られないように気を付けなくては、ですが、何も殺してしまうことはなかったのに(まだ言っているw)。現代においても、まだどこかにいるんじゃないか、と思っています。現代は川辺だけじゃなくてそこら中に一般女性に紛れて生活していると思います。男を惑わし、男性から吸い取れるもの全部吸い取って・・・なんていう女性はきっと「川姫」の末裔です。見ず知らずの可愛い女性に「一目ぼれ」してお近づきに、なんて素敵なストーリーですが、「川姫」じゃないかどうかだけ、確認しておいたほうがいいかもしれませんね。