妖怪「ぬらりひょん」は妖怪の総大将?つかみどころの無い正体に迫る

妖怪「ぬらりひょん」とは

妖怪「ぬらりひょん」は「ゲゲゲの鬼太郎」では宿敵として、漫画「ぬらりひょんの孫」では引退した妖怪の総大将、「GANTZ」では最強の敵として登場します。だいたい曲者や、強さ未知数、みたいな少し謎めいた存在として現代でもよく知られている「ぬらりひょん」。実は、詳細がよく知られていない妖怪なんです。

一般的には、ひょうたんナマズのように掴まえ所の無い化け物とされています。江戸時代に妖怪の様子を描いた妖怪絵巻にはよく登場する妖怪です。秋田県では百鬼夜行の一員、岡山県では海坊主の一種など、地域によって妖怪「ぬらりひょん」は違った存在として言い伝えられており、その関係性も明確になっていません。

妖怪「ぬらりひょん」の能力

妖怪「ぬらりひょん」は、その能力も明らかになっていません。捕まえようとすると「ぬらり」と手元から抜け、「ひょん」と飛び出してきて人をからかう、とか、最近では人の家に勝手に上がり込み、タバコを吸い、お茶を飲み、自分の家のようにふるまう、なんていう話もあります。あまりにも堂々として、「この家の主だ」と思ってしまい、追い出せないのだそう。ある意味能力ですが、ちょっと人を小ばかにしたような行動をするだけで、人に大きな害を与えるようなことは無いようです。それも実は、相当な妖力と持っているからこその「余裕」からくるものなのでしょうか。

妖怪「ぬらりひょん」総大将説

研究者さんたちの中では、妖怪「ぬらりひょん」が妖怪の総大将であったとされる説を、否定する人もいます。1700年代に妖怪の絵をまとめた作集など出した鳥山石燕が、「ぬらりひょん」の説明に「ぬらりひょんと訪問する怪物の親玉」と記載したことを拡大解釈したもので、実際は妖怪の親玉という意味ではない、というのです。

妖怪「ぬらりひょん」にしても、他の妖怪にしても、地域によって、出会った人によってある程度の共通点はあるにしても、姿形、その能力は違って当然です。こういうもの、と決めれないからこそ、怖いのであり、またそれが魅力でもあります。もし、今現代において、「ぬらりひょん」は妖怪の総大将で、実力は未知数という人が多いのであれば、それが正しいと思います。それが現代語り継がれている「ぬらりひょん」なのです。

まとめ

妖怪「ぬらりひょん」ほど、有名だけど詳細がわからない妖怪はいません。「何者かわからない」ということが実は一番怖いことです。妖怪「ぬらりひょん」の人を小ばかにした態度でのらり、くらりとしている姿は、最強が故の余裕かもしれません。決まって大ボスは最後の最後に登場し、英雄たちを苦しめます。この世から妖怪が絶滅しかかり、「総大将」が出る幕が来ない限りは、「悪戯爺」の役回りを貫くのかもしれません。いつか、本領を発揮するときが来るのでしょうか。知りたいような、知りたくないような。そんな魅力が妖怪「ぬらりひょん」にはありますね。

 

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