妖怪「鬼」を徹底解説!いつの時代も生まれ続ける「鬼」の正体は?

 

妖怪「鬼」の魅力とは。

 鬼の魅力

妖怪の「鬼」といえば日本人なら誰でも存在を知っているはずです。でも、実は鬼が一体何者なのか、あまり知られていません。多くの人は、子供の頃恐れた「鬼」のことは、大人になるにつれて忘れていき、興味がなくなってしまうからです。

みなさんが持つ鬼のイメージって、赤くて、大きくて、金棒を持っていて、虎柄の腰巻。悪いことをして英雄に退治される、そんなイメージじゃないですか?

色々な時代に登場し、英雄がいれば、そこには必ず「鬼」の存在があります。ということは、一人ではないはずで、かつ、大昔から「鬼」は退治されては生まれてを繰り返しているようです。健房は、今尚現代においても、その存在を忘れているからこそ気づかないだけであって、「鬼」は存在すると思っています。

「鬼」がいつの時代もいなくならない理由。そこには少し悲しい理由がありました。知ると、応援したくなってしまうような不思議な鬼の魅力。徹底解説していきます。

そもそも「鬼」とは

鬼は、従来より人に危害を加え、食べてしまう存在として知られています。地獄で閻魔大王に仕える獄卒としてのイメージもありますよね。かたや、定まった姿はない、って言う話もあり、身近な人に化ける能力を持っているともされています。美男、美女に化けて、悪さをしていた例もあるようです。

鬼っていうと、悪い物や厄災をもたらす物、という見方がある一方、「強い物」として崇められたり、鬼の善業に感謝して、神社に神として祀っている、なんて例もあるので不思議です。

日本の中世(鎌倉時代から室町時代)の能楽では、鬼の人の怨霊とするか、地獄のものとする例が多いようで、現在の「鬼」のイメージはここからくるものが大きいようです。

いずれにしても、鬼は「力強い」、「恐ろし気」、「超人的」な存在であることは間違いありません。

「鬼」の語源

「鬼」という言葉は、「隠(おぬ)」から転じたものであり、「姿の見えないもの」「この世ならざるもの」を意味する、という一説が古くからあります。

そこから人の想像力により、「人型」になり、浄土思想などの宗教的背景から、地獄ににる獄卒としてのイメージが定着したと言われています。

「鬼」はなぜ生まれ続けるか

鬼の種類

鬼の種類は、学説的に5種類と言われているようですが、ざっくり2つに分けてみます。

  • 神様等信仰対象の鬼
  • 悪行を働く妖怪の鬼

悪行を働く妖怪の鬼のイメージが強いのは、身近に鬼たちの悪行の話や、現代にも形に残っているものがあり、目に触れる機会が多いからだと思います。昔話の桃太郎なんかに出てくる鬼(「温羅(うら)」がモデルとされています)は、悪行を働く鬼として存在し、桃太郎とその仲間たちに退治される話は有名ですよね。「節分」なんかも悪さをする鬼を追い払うための日本の風習です。

もともと人だったのに、重なる恨みや怒り、嫉妬心から「鬼」に変身してしまったという例もあります。イケメンで有名な「酒呑童子」はもともと人間でしたがある悲しい事件をきっかけに「鬼」となり、悪事を働くようになりました(諸説あり)。最後は源義光率いる侍達に退治されてしまいます。女性が「鬼」になることもあり、「般若のお面」は若い女性が嫉妬のあまり「鬼」になってしまったものの典型的なものです。女性の鬼を鬼女(きじょ)と総称します。

鬼が生まれ続ける悲しい理由

鬼の種類を見てみると、鬼が生まれ続ける理由がわかります。ですが、近代化が進んで、どこにでも明かりがあり、隅々まで科学的に物事を説明しようとする今、あの暗闇に鬼がいるかもしれない、って言う想像力が乏しくなった今、神や、妖怪の鬼がいても人は気付きません。すると、隣の人が「鬼」に変身してしまっても、その事に気づかないのです。「鬼」がいる、なんて思わないわけですから。

恨み、怒り、嫉妬心が爆発して、「鬼」となってしまった人は時に悲しい事件を起こします。たくさんの人がその「鬼」の手によって傷つけられたり、時には命さえ奪われてしまうこともあります。

今尚現代で起きている悲しい事件も一緒で、想像を絶する恨みや怒り、悲しみが人を「鬼」にし、その「鬼」が引き起こした事件である、と考えることはできませんか?

だとしたら現代にいる「鬼」というのはある意味、とても悲しい存在なのかもしれません。

現代に生きる「鬼」

日本の中世では能楽で登場していた「鬼」。現代でも様々なアニメや漫画に出てきます。最近「鬼」と戦う物語で、爆発的にヒットした漫画がでてきましたね。そう、「鬼滅の刃」です。健房はもっぱら単行本でじっくり読む派で、世の中ではすでに鬼滅ロスが始まっている今日この頃、続きが気になって仕方ありません。主題歌もかっこいいし、テレビアニメの絵もとても綺麗で一気にあの世界観に引き込まれました。

ある日、主人公の炭次郎が町に出稼ぎに行っている間、大切な家族が鬼に襲われて命を落とします。妹である根津子だけは一命をとりとめましたが、鬼の血が体に入ったため、「鬼」となってしまいます。炭次郎の家族を襲った鬼が、大ボスの「鬼舞辻無惨」で、炭次郎は根津子を人に戻すべく、鬼殺隊に入隊し、仲間とともに根津子が人に戻るための最大のキーとなる「鬼舞辻無惨」を追い、様々な鬼と死闘を繰り広げます。

炭次郎の家系と、鬼舞辻無惨の因縁の関係も見どころですが、登場する強い鬼たちが、「なぜ鬼になったか」というエピソードも魅力の一つと思っています。「鬼舞辻無惨」から血を与えられたものは鬼になり、その血が濃ければ濃いほど、その濃さに耐えられた者ほど、強い鬼になります。さまざまな悲しい出来事や、不条理なことがきっかけで怒り震えている者に対して、「鬼舞辻無惨」は血を与え強い鬼を増やしていきました。

炭次郎達との死闘の末、鬼が息を引き取るときには人間だった時、経験した幸せな記憶だったり、大切なあの人に思いを馳せ、息を引き取っていきます。これがとても悲しいエピソードなんです。「鬼舞辻無惨」は残忍非道な最強のラスボスとして登場していますが、実は怒りや恨み、嫉妬心を象徴しているのかもしれません。そこに身を任せ、「鬼」となってしまった人たちは、苦しみの中、我を忘れ、人を殺め、食べ、強くなり、最後には涙して死んでいきます。

一方、根津子は「鬼舞辻無惨」の血で鬼になってしまったものの、人を殺めず、食べず、守ることを選択をしました。怒りや恨みに打ち勝った象徴として出てきています。怒り、恨み、嫉妬心に打ち勝った根津子はとても強い存在になり、炭次郎をいざというときに助けます。

と、いうことで単純にストーリーをそのまま受け入れるだけで大変読み応えがある漫画なのですが、「鬼」について予備知識があると、さらに面白く読み進められるかもしれません。世の中で騒ぎすぎて、逆に敬遠していた方、是非、一度手に取って読んでみてください。

まとめ

はるか昔からずっと存在している妖怪「鬼」。想像上の妖怪というだけではなく、「鬼」は本当にいて、今なお現在も人の形をして、どこかに潜んでいるかもしれません。その鬼は、人を傷つけ、世の中では信じられないような悪行を働く一方、自分自身も苦しみ、傷ついています。世の中悲しい事件が起きた時、「鬼」の仕業だな、なぜ、「鬼」が生まれてしまったのか、を考えてみると、もし隣の人が「鬼」になりそうになった時、手を差し伸べ、踏みとどまらせることが出来るかもしれませんね

【おまけ】ダジャレコーナー

 

はい、おあとがよろしいようで、最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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