妖怪「長壁姫」に逆らうな。姫路城に住み着く妖怪。いいやつ?悪いやつ?

 

妖怪「長壁姫」(おさかべ姫)とは

妖怪「長壁姫」とは、姫路城に隠れ住むといわれている女の妖怪です。十二単を着た少女、または老婆など、様々な言い伝えがあります。

由来

姫路城が経つ姫山には、「刑部(おさかべ)大神」などの神社がありましたが、かの豊臣秀吉が姫路城を建設する際、刑部神社の社を町はずれに移したそうです。この神社が、「おさかべ」の名の由来となっています。この神が、のちに「城の神」として認識されるようになり、城主のにおきた怪事件は、この神による祟りであるとされてきました。

 

妖怪「長壁姫」の伝説

「長壁姫」は、年に一度城主と会い、城の運命を伝えてきた、とされています。一方、城主の態度によっては、逆鱗に触れてしまうこともあるようです。

天守閣は普段だれもいない場所。そこに灯りがともっていることを不審に思った城主が見に行ったところ、「長壁姫」がそこにはいて、城主が「私がこの城の主だ」とすごんだところ、大きな妖怪に変化し、「城を敬わないのであれば呪い殺すぞ」と脅されたという話があります。

また、べつの城主が病気になり、加持祈祷をしていた僧侶の目の前に怪しい女が現れ、退散を命じました。僧侶が逆に叱咤(しった)をしたところ、6メートルもの大きな妖怪となり、僧侶を蹴り殺し、消えた、という伝説もあります。

妖怪「長壁姫」の妹「亀姫」

妖怪「長壁姫」には妹がいたとされ、福島県の猪苗代城(亀ケ城)に住み着いていたとされています。亀姫が城主の目の前に現れ、「お前はまだ城主に挨拶していない。今日は城主があってやるとのことだから、急いで準備しろ」と言いました。「私以外に城主はいない」と城主が凄んだところ「姫路のおさかべ姫と猪苗代の亀姫を知らないのか?おまえの命運は尽きた」と亀姫は言い残して姿を消しました。その後、城では城の主膳(お城の食事周りの管理者)が急死したり、怪奇現象が続いたりしたとされています。

まとめ

「長壁姫」も「亀姫」も、その山の神様だったとすると、勝手に人間が開発をし、城を作ったことが気に入らないことは想像ができます。それでも共存を選ぼうとしてくれている神々に対して、相当な敬意を払わないと、痛い目に会うのは致し方ないことです。

今でも変わらず、場所を使わせてもらうにしても、自然に対して、また、その土地の神様に対しては常に感謝の気持ちを忘れてはいけません。間違っても、この土地の主は私だ!なんて言った日には蹴り殺されてしまいますよ。

 

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