妖怪「妖狐」の「玉藻の前」は国を危機に追い込んだ危険な妖怪No.1

 

妖怪「妖狐」とは

妖怪「妖狐」は、狸と並んでよく化けるとされる狐(きつね)が変化(へんげ)した姿のことです。変化(へんげ)すると多くは美女に化け、人をだましたり、逆に恩返しをしたりしてきました。しかし、「妖狐」の中には、千里眼の能力を持ち、世のすべてを見通すことができる「天狐」、あやうく日本を滅ぼしかけた、「九尾の狐」など、妖術に長け、並々ならぬ妖力を持った危険な存在だった「妖狐」も存在します。

伝説の妖狐「玉藻前」

日本を滅ぼしかけたとされる「九尾の狐」。「玉藻前」の名前でも有名な妖狐です。

九尾の狐は、かつて中国やインドで悪事を働いていた妖狐です。

日本に現れたのは聖武天皇の時代、西暦700年代の前半と言われています。16歳か17歳くらいの女の子に化け、「若藻(わかも)」と名乗り、遣唐使の船で日本に渡ったとされています。それから行方知れずとなっていましたが、西暦1000年代の前半、子宝に恵まれない役員夫婦に拾わせ、養子としてすくすく育ちます。「藻女(みずくめ)」という名を授かった九尾の狐は18歳で宮中に仕え、頭もよく、容姿端麗であったとから、才能が豊かな女性だと称えられました。ある時、音楽の宴の場でそこで九尾の狐が躍ると光り輝き、奇跡だ、ということで「玉藻前」と呼ばれるようになりました。鳥羽上皇に見初められ、契りを結ぶことになりましたが、それ以来、鳥羽上皇は病に倒れてしまいます。不信に思った陰陽師が玉藻前の仕業だと見抜き、正体を見破ると九尾の狐は京から逃げ出しました。

その後、那須に出現した九尾の狐が女子をさらう行為を繰り返したため、3人の将軍と一人の陰陽師に指揮を任せ、8万人もの大軍を派遣します。最初は九尾の狐が駆使する妖術に苦しみましたが、那須の領主、須藤権守貞信が、一度刺さったら抜けないという矢で九尾を打ち抜き、息の根を止めました。

しかし、死闘はこれでは終わらず、巨大な石に姿を変え、瘴気を発し、その毒で近づく人をばたばたと倒してしまいます。殺生石(さっしょうせき)と名付けられたこの石を鎮魂しようとした僧侶たちも犠牲になりましたが、玄翁(源翁)和尚(げんのうおしょう)が殺生石を退治し、石は割れ、全国に飛散しました。そのうちの一つは今なお毒を吐くといいます。

殺生石が飛散した場所は3つあるとされており、いずれも日本各地の「高田」という地名がついたところにある、という説があります。

候補地とされている場所

  • 美作国高田(岡山県真庭市)
  • 越後国高田(新潟県上越市)
  • 安芸国高田(広島県安芸高田市)
  • 豊後国高田(大分県豊後高田市)
  • 会津高田(福島県会津美里町)

飛び散った殺生石を探す旅に出てみたい。でも一つはまだ毒を放っているということで、マスクは必須ですね。(マスクなんかじゃ通用しないかしら。石が飛散してから約1,000年経った今も殺傷能力抜群の毒をまき散らしてたらとんでもない妖力・・・)

妖狐の種類

九尾の狐以外には、どんな妖狐がいたのでしょうか。妖力によって位があったとも言われています。

  • 野狐(やこ)・・・いわゆる野良の狐で、悪戯好き。
  • 気狐(きこ)・・・野狐の妖力が増し位が上がった狐。
  • 仙狐(せんこ)・・・こちらは中国の妖狐、仙術を学んだ狐。
  • 白狐(びゃっこ)・・・人々に幸福をもたらすとされる「善弧」のうちの一つ。
  • 空狐(くうこ)・・・神通力に長ける狐。
  • 天狐(てんこ)・・・さらに神通力に長け、神と同等とされる狐。

他にも、善狐のうち、金狐(きんこ)、銀狐(ぎんこ)、黒狐(こくこ)なんかもいたそうです。

まとめ

妖怪「妖狐」といっても悪い奴ばかりではない、ということで安心しました。最強最悪の妖狐、九尾の狐は1000年前に退治されてますしね。健房は小学生の時に「キツネ山の夏休み」という本を読みました。ちょっぴり切ないとても素敵な話だったと記憶しています。間違いなく出てきた狐の男の子は善弧ですね。ひょっとしたらクラス一美人な女の子は「妖狐」なんじゃないかしら?って考えてみたり。「油揚げ」が大好物らしいので、もし「油揚げ」をあげて喜んだらほぼ間違いなく「妖狐」でしょう。だとしたら、九尾の狐の生まれ変わりではないことを、祈るしかないですね。

【おまけ】だじゃれコーナー

正体見破ったり!

最後までお付き合いいただきましてありがとうございました!

 

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