妖怪「雪女」は命を狙われる前に惚れさせろ?美しいけど危険な妖怪

 

妖怪「雪女」とは

妖怪「雪女」と聞いて、みなさん想像される姿はだいたい同じだと思います。「死」を表す白装束に身をまとった美女です。息を吹きかけるだけで男を死に至らしめたり、男の精気を吸い取り殺したりする恐ろしい妖怪です。妖怪「雪女」の歴史は古く、室町時代(西暦1300年頃)からすでに言い伝えがあります。「九尾の狐」が退治されたその300年後くらいから知られる存在となりました。

妖怪「雪女」の伝説

妖怪「雪女」は恐ろしい妖怪である反面、ちょっぴり人間味がるな、と感じる伝説があります。

小泉八雲の「怪談」にその話は登場します。

ある村に二人のきこりがいました。一人は茂作(もさく)という老人、もう一人は奉公人の巳之吉(みのきち)という少年で、二人は毎日森に仕事をしに出かけていました。

あるとき、茂作と巳之吉は大吹雪に見舞われ、大吹雪が止むまで山小屋で過ごすことにしました。二人はすぐに眠りにつきましたが、巳之吉の頬に雪がかかり、巳之吉は目を覚まします。すると、白装束を来た女性が茂作の横にかがんでいて、息を吹きかけました。すると、茂作はあっという間に凍りつき死んでしまいました。巳之吉の方に女性が近づいてきたので、巳之吉は死を覚悟すると、女性は微笑みいいました。

「おまえはまだ若いから見逃してあげます。ただ、今日あったことは誰にも言わないでください。約束を破ったらあなたも同様に殺します」と。

無事村に戻った巳之吉は約束を守り、普段通りに過ごしていました。1年ほどたった時、巳之吉は偶然出会った旅人の「お雪」を家に泊めることになりました。お雪はとても美人で、性格もよく、巳之吉も、母親もとても気に入り、やがて巳之吉とお雪は結婚しました。

子供にも恵まれ、幸せに過ごしていた二人。しかし、お雪はいつまでたっても年を取ったように見えず、ずっと美しいままでした。巳之吉は、美しいお雪の姿をみて、ついつい、山で遭難した際に出会った美しい雪女の話をお雪にししまいました。

すると、お雪は急に怒り、言いました。

「その雪女は私です。あれだけ言うなといったのに。約束を破ったら殺すつもりでしたが、子供たちのことを思うとそのようなことはできません。子供たちを必ず幸せにしてください。もし不幸にするようなことがあったら、その時こそ、あなたのことを殺しに来ます。」

そういうと、雪女は消えてなくなり、巳之吉の前には二度と現れなくなったといいます。

 

せ、切ない・・・。夫婦の間に秘密はタブーとは言え、約束を破ってしまった巳之吉。心を許しているからこそ、だとは思うのですが。きっと、雪女は初めて出会った巳之吉に惚れ、人間として生きていくことを心に決めたのだと思います。「雪女」にも母性があったんですね。

まとめ

妖怪「雪女」。出会ったら最後、凍らされ、死んでしまいますが、唯一の逃げ道は「惚れさせる」ことのようです。怖いけど、どこか人間味のある妖怪「雪女」。惚れさせる自信はないんですが、出会ってみたいものです。

【おまけ】だじゃれコーナー

まぁそうですよね、白装束で山にはいかない方が・・・。歩きづらいし。

はい、今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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